
ウィルバー・ライトとオーヴィル・ライト。かの有名なライト兄弟が世界初の動力飛行を成功させたのは今から105年前の今日、1903年12月17日の事。
ドイツ人の航空学者オットー・リリエンタールが1896年に研究中のグライダーで死去した後、彼を師と仰いでいたライト兄弟はグライダーではなく、動力を使って飛ぶ飛行機の研究を始めました。
当時あまり進んでいなかった航空力学や流体力学。様々な学者達がことごとく失敗を重ねていたのですが、当時最先端を走っていたサミュエル・ラングレー博士から多くの実験データの提供を受け、革新的な技術をもって数多くの風洞実験を重ね、かつグライダーのパイロットとしての技術力も高めて行きながら開発を進めました。飛行記録を見ると弟オーヴィルの方が操縦技術は高かったようです。
初飛行の場所として有名な合衆国 ノースカロライナ州 キティーホークは、常に強風が吹いている場所を調べて決定されました。
長い間の研究と訓練を経て、1903年、12馬力のエンジンを積んだ「ライトフライヤー号」は初飛行に成功したのです。
蛇足ですが・・・。
ライト兄弟の偉業は世界中で認知されていますが、日本で「航空の父」と言われている人が居ます。二宮忠八という人で、1889年にゴム動力の無人動力飛行機を完成させ飛行に成功しています。しかし、当時の軍部や政府に認めてもらえず、12馬力のエンジンを積んだ飛行機は設計図の段階で開発を断念。不本意ながら大日本製薬に入社し、持ち前の頭脳を生かして業績を伸ばし、支社長にまでなりました。資金さえあれば、ライト兄弟よりも早く有人動力飛行に成功していた可能性が高いとされています。
上の写真は初飛行100年を記念して復元され飛行に成功したライトフライヤー号のレプリカです。
下の写真は現在世界最大の輸送機Antonov An-225 Mriya です。人の大きさと比べれば、この100年にどれくらい進歩したのかよくお判りいただけると思います。

航空マニアとして、ライト兄弟に敬意を払いたいと思います。
2 件のコメント:
さすがはdragonflyさんですな、この日を知っていたとは。それにしてもこの分野での見識の広さ・深さには恐れ入ります。ちなみに下のほうの巨大なジェット機、全体が映っているような写真はないのでしょうか?是非見てみたいものです。
katajiyaさん>
思い起こせば40年前、父が始めて香港へ旅行に行く時の事。
羽田空港に親戚一同集まって、旅立つ父を見送った時が飛行機との出会い。
祖父にブリキの飛行機を買ってもらったのが飛行機マニアの第一歩でした。
$1=¥360の時代で、航空業界はDC-7などのレシプロ4発プロペラ旅客機からボーイング707などのジェット機が主力に変わって行く過渡期でした。
3歳の時に胸をときめかせた飛行機に、今でも憧れているのだから、私も「コトナ」ですね。 (笑)
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