今日の山中湖は、一日中強い南風が吹き荒れ湿度の高い1日でした。
日中は気温も10℃を越え、日陰に残っていた雪も融けてなくなりました。
家内の出産予定日が間近である事から外出も控え、久しぶりに自宅でゆっくりと日曜日を過ごしました。
風と言えば・・・。
大変ありがたい事に、富士山をご覧になるため九州沖縄や北海道から、また海外から多くお客様が富士五湖にお見えになります。そんな時必ずご利用になる『飛行機』。
今日は『強風と飛行機』についてお話したいと思います。
下のYouTubeの動画をご覧ください!
旧香港啓徳国際空港へ日本航空のボーイング747型機が着陸する様子を写したものです。
旧啓徳空港は市街地のすぐ横、山に囲まれた地形に位置するため滑走路へ進入するとき山を避ける必要がありました。着陸直前に普通では考えられない程の右急旋回を強いられていました。
それが有名な『ホンコンカーブ』です。
以前、香港へお出掛けになった方の中には、このホンコンカーブに肝を冷やした方も多いのではないでしょうか?(極端に市街地に近い空港であるため、町のネオンサインは点滅禁止!飛行場の点滅光と混同しないようにとの配慮です)
ただでさえ高度な操縦技術を必要とする旧啓徳空港への着陸ですが、更なる難関も存在します。
複雑な地形の海岸線にある空港という事で、必ずしも滑走路に対して真っ直ぐに風が吹いているとは限りません。
このビデオが撮影された時は、滑走路に対し飛行機の右側から強い横風が吹いています。
このような時、着陸する滑走路に向かって降下するにあたり、横風に流されて滑走路を外れないように機首を風の吹いてくる方向へ向け斜めに飛びながら降下します。(横滑りさせながら飛ぶと言った方がわかりやすいでしょうか)
そして飛行機の主翼の下にある車輪(主脚)が接地寸前、もしくは接地直後に巨大な機体の機首を滑走路に合わせるという神業のような技術が要求されるのです!
運動性能の良い軽飛行機や戦闘機のようなクイックな動きが苦手な旅客機、強い横風の中を着陸させる事は最先端の自動操縦装置を持ってしても不可能で、今でもパイロットの腕にかかっています。
ビデオは一見するとヘタクソな着陸に見えますが、この機の機長は世界でも5本指に入る技術の持ち主。
エアラインパイロットは、着陸進入時にほんのちょっとでも「危ないかな?」と思ったら、迷う事無く着陸をなりなおします。
このような状況で並みのパイロットなら『ゴーアラウンドっ!』と叫んで着陸を中止し再度進入のやり直しをするでしょう。
この映像は横風時着陸のお手本と言っても意良い、素晴らしいランディングです。
パイロット達が日夜徹底した訓練を受け、技術の向上に努力している賜物なのでしょうね。
「今日の機長はヘタクソでさあ! ドカ~ンッて乱暴に降りてね・・・」などといった話を聞くことがあります。しかし、そういう時は風が強いとか、突風が吹いたとか、何らかの理由があったのだと推察されます。 ソフトにランディングする事が必ずしも上手な着陸という事にはならないのです。
より安全に着陸しようとすると、ある程度乗り心地を犠牲にせざるを得ない場合が多いのです。
もしもこのビデオの便に私が搭乗していたら、思わず拍手をしていた事でしょう・・・。
「強風」から思い浮かんだ飛行機マニアのウンチク話、最後までお付き合い頂きありがとうございました。 (笑)
今日は冬至、柚子湯の良い香りがバスルームから漂ってきています。
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