この週末、某大手音楽教室で音楽講師を務める家内の年に1度の大イベント『発表会』を手伝ってまいりました。

日ごろからホテルの仕事を手伝ってくれている家内への恩返しの意味もふくめ、「より良い発表会を作ろう!」という情熱にあふれる教室スタッフの皆さんを少しでもサポートできればと、毎年企画段階からお手伝いさせて頂いています。
総合的な舞台演出に関わっているのですが、これがなかなかやりがいのある仕事で、とても充実した時間を過ごさせていただきました。
(発表会の内容等は音楽教室広報部との兼ね合いもありますのでここでは触れません)
というわけで今日は『ステージの裏側』をちょっとだけお見せしたいと思います。
コンサートやイベントでステージを見る時、お客様はたいてい幕が上がって閉まるまで、観客席からステージをご覧になるだけだと思います。
一口にステージと言っても大勢のスタッフと色々な機材によって成り立っています。
全てお見せすることは出来ませんが、ほんの少しだけ『STAFF』気分を味わって頂きたいと思います。
その役目は『PAさん』とか『音響さん』と呼ばれる人たちが担っています。
それぞれの音を、いったんミキサーという機械に集め、その会場にあった音質にしてスピーカーから出す。音質をより良くするための機材がたくさんあって、とても神経を使う仕事です。
デジタル化が進み、機器類はアナログ時代に比べると非常にコンパクトですっきりとしたPAブースになったのですが、音の調整はあくまでも人の耳と手。
『PAさん』の腕しだいでそのステージの出来が大きく左右されると言っても過言ではありません。
読んで字のごとく、舞台の照明を担当します。
これがまた気の抜けないセクション。
オープニングセレモニーから演奏、そしてエンディングまで、秒単位で演出していきます。
ホールの後ろの一番高いところにあるPA・照明ブースでコントロールデスクに座るメインオペレーターと、舞台袖でムービングライトなどをコントロールするスタッフが連携して演奏する人を照らし上げます。
写真は舞台袖のコントローラー越しに舞台を見たところです。
ウエイトトレーニングの錘みたいにも見えますが、舞台の天井に吊るされた照明機器や幕(緞帳)を上げ下げするための装置です。とても重い機器類をスムースに上げ下げするため、ウエイトを吊ってバランスを取っているわけです。
ご覧のように重たいプレートが何枚も重ねられ、相当な重量がありとても危険なので、ものものしい金網に囲まれています。
照明さん達は大声で安全確認をしながらロープのブレーキを足で動かし、テキパキと準備を進めます。
照明さん達は大声で安全確認をしながらロープのブレーキを足で動かし、テキパキと準備を進めます。
その姿は見ていてとても気持ちの良いものです。
ふと彼らの足元を見ると、足袋を履いた人が居ます。
日本では伝統的に舞台の裏方さんは『足袋』。
とくに、能や日舞など我が国の伝統芸能の裏方などはそれが徹底され、その流れで他のステージでも足袋を履く人が多いのだそうです。

様々な人たちによって準備されたステージ。いよいよ開幕が迫ってきました。
日本では伝統的に舞台の裏方さんは『足袋』。
とくに、能や日舞など我が国の伝統芸能の裏方などはそれが徹底され、その流れで他のステージでも足袋を履く人が多いのだそうです。

様々な人たちによって準備されたステージ。いよいよ開幕が迫ってきました。
舞台の幕はまだ上がっていませんが、司会者(MC・Master of Ceremony)によって、非常口の案内や様々なインフォメーション(前説)が始まりました。
わかりにくいですが、右側が幕の外、観客席側です。
前説をする司会者の背中が見えます。
緊張感が舞台袖を支配します。
やがて客席の明かりが落とされ開幕します。
どのセクションのスタッフもこの時間が一番張り詰めます。
オープニングでコケたら、それはそれはショックですからね。
進行表を睨みつける人、あちこちに目を配って最終確認をする人、なんだか解んないけどソワソワしてる人、不安に押しつぶされそうな顔の人・・・。
いろんな人が開幕に集中しています。
進行表を睨みつける人、あちこちに目を配って最終確認をする人、なんだか解んないけどソワソワしてる人、不安に押しつぶされそうな顔の人・・・。
いろんな人が開幕に集中しています。
どこのホールでもだいたい幕の裏側には「火の用心」と書かれています。大勢の人が集まるホールでは、絶対に火災を起してはいけません。それはそれは厳しい消防法によって観客を守っています。
演出に花火やスモークを使うときなどは、必ず管轄の消防署員が数名でやってきて、安全が確認されて初めてその演出が許可が降ります。

開演のブザーが緞帳越しに聞こえ、開演です。
男の子は一様に緊張した面持ち。
やっぱり女の子の方がココ一番に強いように見えました(笑)
この階段ホールの先、遮音ドアの向こうがステージ。
初舞台の子はこの先がすぐステージだとは気付いていません。
暗い舞台袖から見る煌びやかなステージは、子供の目にどんな風に映るんでしょうか・・・。
この階段ホールの先、遮音ドアの向こうがステージ。
初舞台の子はこの先がすぐステージだとは気付いていません。
暗い舞台袖から見る煌びやかなステージは、子供の目にどんな風に映るんでしょうか・・・。
子供の頃から音楽活動をしてきた私も、小さいな頃は舞台袖でドキドキしながら無意識に上がっていくテンションを抑えられず・・・。舞台袖に漏れて来る照明を見つめすぎて暗い足元が見えなくなったりしたものです。(笑)
小さな手が、一生懸命演奏しています。

子供達の直向な演奏に触れ、目を細めてしまいます。
一つの舞台を作り上げるには、とてつもない労力が費やされます。しかし、演奏者と観客が一体となり、そこに『感動』という物がが生まれれば、どんなに苦労してもその疲れは心地よいものになるのです。チームワークの生み出す底知れぬパワー。それを実感できる事に喜びを感じます。
リハーサルを含め2日間、とても有意義なものとなりました。
ここまで裏方の視点でステージを見てまいりましたが、いかがでしたか?もっともっと色々お見せしたいのですが、この辺にしておきます。
会場からの帰り道、富士山が綺麗な傘をかぶっていました。

4 件のコメント:
発表会お疲れさん!奥様にもお伝えください。
我が家の発表会はクリスマス直前、本当に手作りの小さな小さな発表会ですが、やっぱり生徒さんたちは緊張するもんです。かたじ屋大ホールで演奏をする様子を観ていると、いつか晴れ舞台のような環境で演奏させてあげたいなぁと家内とよく話します。
私の家内の教室は人数こそ多いのですが『手作りの発表会』。演出はスタッフを始め私も含めて一生懸命です。小道具や大道具なども手作り。katajiyaさんに助言を頂きながらドタバタやってます(笑)
間接的ではありますが、katajiyaさん無しでは今回の発表会を成功裏に終える事はできませんでしたよ。
ありがとうございました。
奥様への愛情に始まり、発表会の練習、準備、本番と目に浮かぶようです。子供の一生懸命な姿って本当に感動しますよね。私も何度涙した事か・・・・
滅多に見ることのできない舞台の裏側、へぇ~なんて独り言を言いながら読ませていただきました。写真も相変わらず上手ですよね(^^)b
また遊びにきます
cranberryさん>
子供達の後姿を見ながら、「この頃に戻れたら、歌の勉強も、学校の勉強もちゃんとするのにな・・・」と、悪ガキだった少年時代を悔いたりもします(笑)
私の好きなコーラスグループの曲で
♪ For The Sake Of The Children
という曲があります。
子供達のために、何か役に立ちたいって考えても、なかなか実行できないもどかしさや、自分の子供時代とあまりにも変わってしまった環境・・・。
その歌を聴くと、子供達の事を心底考えさせられます。
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