魅惑の香り 【珈琲】

我が家は昭和46年から61年まで、東京西新宿で珈琲専門店【SUN】という店を経営していました。
場所は新宿駅西口から小滝橋通りを下り、今は無きミドリヤを右に見ながら通り過ぎオークラ屋不動産のビルのある路地を左に入ってすぐの左側。小さな店でしたが美味しい珈琲と軽食を提供する店として多くのお客様にご愛顧いただいておりました。ホテル開業に伴い閉店したのですが、今でも当時のお客様がホテルまで足を運んで頂いています。（感謝）

さてさて、前置きが長くなりましたが【珈琲】です。
先日、旧友が遊びに来たのですが、その手土産のん中にとてつもなく嬉しいプレミアム珈琲が2種！
ホテル学校時代の友人がローストしてくれた「ケニアAA ニエリヒル農園」と「グアテマラ プレミアム アティトゥランエリア」。
『好みがわからないので、私の好きな豆を･･･』とのメッセージを添えてくれていたのですが、友人も私も無類の珈琲マニア。そんな事どうでも良いと早速飲み比べです。
その時私が所有していた「モカ イルガチェフェ イディド ナチュラル」も加えて3種の珈琲をゆっくり楽しみました。
『男2人が秋の夜長に語り合う』とくれば焼酎。ちょっと洒落てワイン。といったところなのでしょうが、生憎我々2人は下戸。テーブルに土産に頂いた北海道の銘菓やその他の菓子が山となり、独特の芳香を放つ3種の珈琲が代わる代わる…。
蛇足ですが、私の珈琲の友は、上質なチョコレート・濃厚な香りのチーズ・意外と合うのがゆで卵（珈琲に卵の黄身だけを溶かして飲むというレシピも存在します）そして何と言ってもタバコ（禁煙宣言をしたものの珈琲を飲むと無性にタバコが欲しくなる･･･）

珈琲の香りを分析して一つ一つ分けてみると、その殆どが悪臭なんだそうです。しかし、珈琲の放つ香りはなんとも魅惑的。生豆からローストしていく段階の香り、ローストし終わった時の香り、挽いている時の香り、お湯を差し入れた時の香り、飲む時の香り、それぞれに豊かな香りが楽しめます。そして最後には最高の味。これほどまでに楽しめる嗜好品は他にないと思うのです。

今回飲んだ3種。
アフリカAAは苦さが際立つ珈琲で乾燥した大地を感じさせる爽やかな香り。後味のすっきりした物でした。次回はもう少し浅煎りで飲んでみたいと思いました。

グアテマラ プレミアム アティトゥランエリア は、挽いたときに立ち上るまろやかな香りから想像する味とは違い、少し酸味のあるフルーティーな味と香ばしさがマッチしたモーニング珈琲にもってこいの豆でした。

モカ イルガチェフェ イディドナチュラル　これはちょっとやそっとでは飲めない、近年稀に見る最高の豆。　挽いているときに出す香りはクセのあるもので、その時点では「ん？なんだこれ？」というのが正直な感想です。　お湯を差し入れた時の香りもやはり期待を抱かせるものとはちょっと違います。
1口目「ん？」2口目「あれ？」3口目「なんだこの甘さは！」　もちろん砂糖は入れません。豆の甘みが凄いのです。濃厚な味とあいまって、疑問を抱いていた香りがこの上なく良い香りに変身するのです！

とまあ、評論家めいた事を書いてしまいましたが、能書きはあまり得意ではないのでこの辺にしておきます。

とにかく、珈琲って底が見えないほど奥深い。
友人がロースターをしている事を知り、さらに珈琲の世界の深部へ入っていきそうな予感がします。



焙煎士をしている友人のお店『UAN BEANS』はこちら　　http://uanbeans.shop-pro.jp/
いつも豆を購入しているお店『春木屋 富士吉田店』はこちら　　http://www.harukiya.com/